思考の整理学

24/3/21
英文学者外山滋比古による思考法に関する書籍。
特に気になった点をいくつか挙げる。

まず第一に人を思考法ごとにグライダー型・飛行機型に分類して紹介している。
グライダー型は人から教わったことを吸収して学ぶ。
飛行機型は人から教わらなくとも自ら知識を吸収して学ぶ。
これらの違いは小学生時代はあったものの、義務教育期間中に皆グライダー型へ矯正されると著者は解いている。

なるほど、分かりやすい。確かに想像力豊かだったのは小学校低学年の頃だったかもしれない。そう考えると自身が受けてきた義務教育は非常にチンケなものの様に感じる。
私の経験を交えると、義務教育で得られたものは教科書に書き込んである知識の詰め込み学習であった様な気がしてくる。一方で、物事を考える良いきっかけになっており、教科書への詰め込み学習は全く悪いものではない。

グライダー型・飛行機型で読者へ課題喚起をするのだが、この本の悪いところはどの様にすればグライダー型から飛行機型の人間になれるかを直接指名していない。すぐには教えないことがグライダー型から飛行機型へ変わるための知識を忘れさせない様にするためかもしれない。

その次に、著者は朝型人間を推奨している。かつては著者も夜型人間だったようだが早起きをして活動してみたら案外悪くない と述べている。
朝飯前という言葉も引き合いに出して、朝に それも特に朝食前に物事を片付けるのが良いと論じている。ここまでくるともう朝型信者だ。

第三に時間をかけてアイデアを寝かせることを推奨している。昼思い悩んだ物事は次の日の朝に、その日に思いついたアイデアは数日空けて再度考えてみる。そうしたことを行っていくうちに思考やアイデア純化されると筆者は説いている。
時間をかけて物事を考えることが重要だというのは同感だ。
それでは時間をかけて物事を考えるためには?
時間をかけて物事を考えるのは大変な気がする。著書内ではメモをとり、時間をかけても良いと思えたメモをさらに別のメモに書き換えるらしい。
そうしたことは文系・理系問わず活用可能なのだろうか?

ひとまず今回取り上げたのは3点。
1 グライダー型人間と飛行機型人間
2 朝型・朝飯前
3 アイデアは寝かせること

非常にわかりやすく、どんな人にとっても分かりやすい比喩で表現されていた。大変読みやすいのは間違い無いが、読んだ内容を基に今後の習慣にどう活かすかが課題となりそうだと感じた。

あとがき
本を要約出来た気がしない。全く要約出来ていない。
この本は老人のいくつかの知見を例えを示しながら紹介している。
その知見は分散しているものの、一つ一つの内容はポイントを抽象化して示されている。抽象化されている個々の課題が散らばりをもって紹介されている。大変難しい…。