春靄の備忘録

競馬と読了本の記録.

名著から学ぶ社会人1年目の心構え -戦争と平和1を読んで-

戦争と平和」は普段読書しない方でも聞いたことがあるタイトルではないかと思う.
この本を読もうと思ったのは,アドルフ(前回記事参照)同様,読書案内で紹介されていた為だ.

この本は非常に長いことで,批評家から・さらには著者本人からも「長すぎる」「まとまりがない」ような旨の批評を受けている.
私自身,そんなに長編小説を読むことが得意ではない.映画を観るためにずっと座席に座るのも大変に感じ始めているくらいだった.

ただ,最近になって昼休みの30分間を読書に宛てられるようになった結果驚くほど読書量が増えた.どうやら30分程度の読書であれば無理なく続けられるらしい.(確かに30分アニメ鑑賞は全く苦ではない)

読書量が増え,自分なりの本の読み方が確立されてきたので「戦争と平和」に挑戦しようと思った.最悪つまらなかったら途中で読むのを辞めて他の本に移ればよい.

結論から話すと,とても読みやすかった上に社会で生活する上での知恵が垣間見えた.今後紹介予定だが,これから続く戦争と平和2以降でも同様の感想を持つこととなる.

戦争と平和1は近代の社交界の貴族の掛け合いと戦争の様子を登場人物の息遣いがよく分かるように描かれている.

貴族の掛け合いはこの本の前半部分にあたる.
掛け合いという普段あまり使わないような言葉を使ってしまったが,大部分は今でいうパーティーだ.作中ではパーティーで貴族夫人が,息子の働き口をもらえるようお偉方に頼んだり,将来良い思いをできるように位の高い人に媚びを売ったりしている.

おそらく,このようなパーティーは現代でもあるだろう.(社会人歴が短く,また社交的ではない私には縁が薄いが)

パーティーに参加している人々は皆,それぞれの思惑をもって(あるいは何も持たずに)その宴に臨み,あるものは思惑通りに事が進み,別のものは辱められる.

作中の出来事は,今の時代でも,パーティーが無くても形を変えて存在している.社会で無知な振る舞いをするものは蔑まれ,また辱められることが垣間見える.特に会社で新人が入ってきた今の時期,新人によっては厚顔無恥な新人の取り扱いに苦労するかもしれない.事実,私は苦労している.

そんな社会人1年目の新人くんにこそ読んでほしい場面が,「詰所にて,とある若者が組織の上位者が不適切なことをしていることを指摘するものの,組織のメンツをつぶしたとして,その不適切なことをした上位者ではなく若者が上司に厳しく詰問される」場面だ.

新人の中には,会社で上司があるべき姿ではない仕事の仕方をしていることがある.メンバーのアイデアを盗む,居眠りしている,仕事をしない,未処理の業務があるのに帰宅している など
これらの上司の仕事の仕方は,やる気あふれる新人の方々には「やる気のない,無気力で体たらくの石潰し」と思うかもしれない.
彼らがしかるべき地位でそのような行動をしているなら問題ないが,上位の役職についているにもかかわらず,先に示した行動をしていることがある.彼らは権力を持っており,新人のフレッシュな指摘を受けても影響が小さい.なんならそのようなことを指摘する部下は島流しにする.

新人の皆様は周囲をみた言動をするよう心掛けてほしい.
私の場合,私の上司が島流しされた.
私の上司は戦争と平和を読んでいない上に,社交経験が浅いがために島流しになったのだと思う.
読書しておいてよかった.